犬や猫の歯周病の危険とは
市販の人間用の歯磨き粉を見ると、「歯周病対策!」「歯周病菌とたたかう」などの文字が、所狭しと並んでいます。
人間の歯周病対策が注目を集める中、近年はペットの歯周病対策の必要性にも注目されています。
歯周病は歯とその周辺に炎症が起きて、最終的に歯が抜けてしまう疾患ですが、口内だけにとどまらず、血液に乗って内臓にまで細菌が広がってしまう場合があります。
特に腎臓・心臓・肝臓などの臓器は、歯周病の影響を受けやすいので、要注意です。
鼻や目、顎の骨などに炎症が広がることもあります。
また食欲の低下や、歯の痛みによるストレスなども、健康に悪影響を与えます。
歯周病の原因
歯周病は、唾液や食物の欠片が歯に溜まったものに細菌が繁殖し、「プラーク」と呼ばれる歯垢になることから始まります。
歯垢はやがて石灰化して歯石となり、そこから歯肉炎が起こり、更に歯肉や歯を支える組織にまで炎症が進むと、歯に痛みを感じたり、最悪の場合には抜け落ちてしまうこともあります。
ペットの歯に歯垢が溜まる原因は、人間と同様に口の中を不衛生にしておくことが一番の要因です。
また、犬も猫も歯並びの悪い品種や歯の密集した品種があり、それらは歯周病になりやすくなります。
犬の場合は小型犬に多く、猫ではアビシニアン、ソマリなどに歯周病が多くなっています。
年齢も大きな要因です。
猫の場合は3歳までに80%、犬の場合60%が、何らかの歯のトラブルを抱えると言われています。
歯周病の症状
犬や猫の歯周病では、このような症状が現れます。
・息が臭い
・よだれが垂れている
・歯が抜ける
・黄褐色の歯石が付いている
・食事をする時に痛そうな様子をする
・歯茎からの出血
・食べ方がいつもと違う
・食欲がない
・元気がない
他の病気でも、似たような症状が出る場合があります。
これらの症状に気付いたら、動物病院に相談することをお勧めします。
おうちでできる、お口のケア
ペットの歯周病を予防するためには、定期的に獣医師による診察を受け、更に自宅での飼い主によるケアも並行して行うようにしましょう。
歯周病の予防として効果的なのは、まずは歯磨きです。
歯磨きの方法については「猫と歯磨きについて」でもご紹介しましたが、歯ブラシを使って歯を磨く以外に、ガーゼなどを使って歯の汚れを拭き取ってあげることも効果的です。
フードは、ペット専用のフードのみを与えるようにし、人間の食事を与えることは避けましょう。
最近では、歯垢や歯石が付きにくい、特別なフードも販売されていますので、かかりつけの獣医師に相談の上、利用するのも良いでしょう。
そして、新鮮で清潔な水を与え、ペットの歯が割れたりするのを防ぐため、硬い物を噛ませるのを控えるなどの配慮も大切です。
![]() 人間と違って、犬や猫などのペットには、公的健康保険がありません。 |

Nona

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