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親バカは時代を問わない!?平安貴族にも溺愛された猫たち

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近年の「猫ブーム」の影響もあり、猫を取り巻く飼育環境はどんどん向上しています。
愛猫家の皆さんも「世界一かわいいうちのにゃんこには、最高に居心地の良い毎日を送らせてあげたい」と考えていることでしょう。

そんな愛猫を溺愛する気持ちは、どうやら平安時代の天皇や貴族たちも全く同じだったようです。

宇多天皇の飼い猫

第59代天皇である宇多天皇は、光孝天皇の第7皇子として誕生しました。
1度は源氏として臣籍降下させられたものの、後に親王宣下を受けて皇族に復帰し、皇太子に定められたという異色の経歴を持った天皇です。

この天皇の書いた日記『宇多天皇宸記』または『寛平御記』と呼ばれる日記には、宇多天皇が飼い猫をとんでもなく溺愛していた様子が書かれています。

宇多天皇の飼っていた猫は、臣籍降下して源定省(さだみ)と名乗っていた時代に先帝・光孝天皇から譲り受けた黒猫でした。

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なんとこの猫は、人間に話しかけるように天皇から話しかけられていただけでなく、毎朝「乳粥」を与えられていました。

「猫に乳粥!?」と不思議に思った方もいるかも知れませんね。
乳粥とは米を牛乳で煮込んだお粥のことですが、この時代の牛乳は「典薬寮」という宮中の医療・薬草の管理・医師の養成などを行う部署が管理する、いわば「薬」扱いの貴重なものでした。
牛乳や乳製品を口にするには、中央の貴族でさえも役所の手続きが必要不可欠だったのです。

更に米も、現代のように誰もが口にできたわけではありません。
宇多天皇の時代には、中級貴族の中にも「芋粥さえ満足に食べたことがない」という人がいたそうです。

そんな時代に毎朝「乳粥」を与えられていたこの猫の待遇には、筆者のような飼い主に甘やかされて暮らしている現代の猫もビックリです!

枕草子に登場する「命婦のおとど」

随筆・エッセイという文学ジャンルのパイオニア的存在として、現代まで広く知られる『枕草子』
その作者の清少納言が一条天皇の皇后・定子に仕えた時代にも、宮中には破格の待遇を受けた上に官僚として位を与えられ「命婦のおとど」と呼ばれていた猫がいました。

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命婦のおとどには「馬命婦」という世話役の女官までつけられていました。
ある日、馬命婦が縁側に出て寝ている命婦のおとどを呼びましたが、命婦のおとどが動こうとしないため、驚かすつもりで「翁丸(犬の名前)!命婦のおとどに噛み付いておくれ」と言いました。
ところが翁丸がそれを本気にして、命婦のおとどに噛み付いてしまったから、さあ大変!
翁丸は打ち叩かれた上、追放されてしまいます。

しかしその後、翁丸はボロボロになって宮中へ戻ってきて、その忠実さと健気さに天皇や皇后定子をはじめ宮中の人々は感動、また元通りに飼われることになりました。

「犬の翁丸が気の毒!」と思わないわけではありませんが、ここでも猫に対する特別待遇には驚きを隠せません。

平安貴族社会の「律令制」の下では、「五位」以上は「殿上人」と呼ばれ、内裏に昇殿できる・装束の色も異なるなど、六位までとは待遇が大きく異なります。
「命婦のおとど」の「命婦」とは「従五位下」以上の官位を持つ女性のことですが、いわゆる「貴族」と呼ばれるのもこの「従五位下」以上の官位を持つ者とされていました。

つまり「命婦のおとど」は猫ながら、れっきとした「貴族」の身分を天皇から認められていたということです。

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平安時代の猫たちの待遇には、筆者を含めた現代の「親バカ(猫バカ?)飼い主」もビックリです。

実は猫は平安時代には「唐猫(からねこ)」と呼ばれていましたが、唐から輸入されたばかりでまだ数も少なく、大変貴重な動物とされていたのです。

平安時代の猫たちが名実ともに「猫様」の扱いを受けていた背景には、そういった事情もあったのですね。


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Nona

Nona

私立大学文学部日本文学科を卒業後、バレエ講師、ダンサー、美術モデルなどとして活動。 2012年よりライターとして活動を開始。 現在は自身の立ち上げた出張型バレエスクール「M Ballet Art」の代表・主任講師を務める傍ら、日本の文化・ペット情報・バレエ・演劇・インターネットなどのコラム連載、バレエやスポーツの練習方法の解説の執筆など、幅広く活動中。

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