猫が水をたくさん飲み、たくさんおしっこをすることを「多飲多尿」と言います。
猫の多飲多尿は病気である可能性があります。
どんな病気が疑われるのでしょうか。
慢性腎不全
猫の約30%がなるといれている慢性腎不全。
特にシニア猫が発症しやすい傾向があるので気を付けたい病気です。
腎臓は血液中の塩分や老廃物をろ過しておしっことして輩出する機能を持つ臓器で、生きていくうえでなくてはならない臓器です。
腎臓の機能が弱まると尿を濃縮する力が低下し、おしっこの量が多くなります。
おしっこが多くなるということは失われる水分が多くなるということ。
それを補おうとしてたくさん水を飲むのです。
慢性腎不全を引き起こす要因は様々ですが、猫はあまり水を飲まない動物であるため腎臓に負担がかかり、高齢になると発症しやすいと言われています。
腎不全は一度発症してしまうと完全に回復することはありません。
早期発見・早期治療が延命のためには大切になってきます。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって起こります。
慢性腎不全と同じく高齢猫によくみられる病気です。
甲状腺ホルモンが多く分泌されることによって代謝が異常に促進されることにより、臓器の血流量も多くなり多飲多尿の症状がみられるようになります。
多飲多尿のほかに代謝が促進させるので、たくさん食べるにもかかわらず痩せる、下痢嘔吐、行動が活発になるなどの症状がみられます。
治療は、甲状腺の摘出や薬の投与、放射線治療、食事療法になります。
2012年に甲状腺機能亢進症の療養食が発売され、手術が難しい子や副作用がある子などへの治療もできるようになりました。
早期発見・早期治療が大切になってきますので、日ごろの様子を観察することが大事です。
糖尿病
猫の糖尿病も珍しい病気ではありません。
糖尿病は血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの分泌量が多すぎたり、少なすぎたりすることによって起こります。
糖尿病になると、血液中に糖が多すぎる状態になり、本来は尿として排出されないはずの糖がおしっことして排出されます。
多すぎる糖をおしっこで排出しようとするために多尿になるのです。
多尿になった結果、脱水症状が起き、たくさん水を飲むようになります。
糖尿病の原因は様々なのですが、肥満が一因であるとされていますので、食生活にも気を付けましょう。
治療は食事療法とインスリン注射になります。
子宮蓄膿症
猫は子宮蓄膿症になることが少ないとされていますが、筆者は保護活動をしており、これまで2匹の猫が子宮蓄膿症でした。
幸い早期発見できたので、現在も元気でいます。
よくある病気ではないかもしれませんが、気を付けるべき病気であるでしょう。
子宮蓄膿症は子宮に膿がたまる病気ですが、膿の毒素により腎臓の機能が低下し多飲多尿の症状を発症します。
治療は子宮の摘出手術となります。
子宮蓄膿症は避妊手術をすることによって完全に予防できます。
避妊手術は2万円ほどでできますが、蓄膿症の手術は3倍から4倍の費用が掛かります。
妊娠を望まない場合は、健康のためにも避妊手術をすることを検討してもいいでしょう。
まとめ
多飲多尿の症状が出る病気は様々あります。
どれも早期発見・早期治療が猫の生命を左右します。
日ごろから猫の水の飲む量やおしっこの量を観察しておくといいですね。
特にシニア以上の猫にとってはとても大切です。
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響

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