「ネコババ」という言葉の語源になった?なぜ猫はトイレの跡に砂をかけるの?
猫はトイレの後、必ず砂をかけて隠します。
もちろん中には、我が家の愛猫のように砂をかけなかったり、砂はかけるものの用を足した場所と若干ズレていたりするような猫もいないわけではありませんが、多くの猫は自分の糞や尿の上に砂をかけ、念入りに隠そうとしています。
猫のこの行動が「ネコババ」という言葉の語源になったともいわれています(※諸説あります)。
おかげで筆者は子供の頃、公園の砂場でどこの誰かも分からない猫のウンチを手で掘り出してしまい、思わず「ぎゃ~!」と叫ぶという「人生の中でめったにできない経験」をしてしまいました。
飼い猫なら飼い主がトイレの後片づけをしてくれるのに、なぜ猫はわざわざそこまでしてトイレの跡を隠す習性があるのでしょうか?
実はこれには、いくつかの説があるのです。
外敵に見つからないようにするため
猫の先祖は元々野生の厳しい環境で生活していました。
周りには獲物となる小動物も、外敵となる動物も生息しています。
もし強烈なニオイを放つウンチやオシッコをそんな環境に堂々と晒してしまったら、どうなるでしょう?
獲物には逃げられ、天敵には狙われるという、最悪の事態になりかねません。
しかも糞尿は新しいものほどニオイが強いため
「この猫は何分くらい前にこの場所にいた」
ということまでもが知られてしまいます。
そのような危険を回避するために、猫は本能的に自分のトイレの跡に念入りに砂をかけて隠すと言われています。
ボス猫に遠慮している
また、その地域の「ボス猫」にそれより立場の低い猫たちが遠慮して、トイレの跡を隠しているという説もあります。
なぜなら野良猫を観察したところ、その地域で勢力を振るっているボス猫は、トイレの跡に砂をかけていないというのです。
この説が正しいとするなら、我が家の猫がトイレの跡に砂をかけない理由も納得ができます。
完全室内飼育でさらに単独飼育の猫にとっては、家の中では必然的に「自分がボス猫」となりますから、当然砂はかけなくてもいいことになります。
なんと衛生的な!感染症の予防のため
感染症の中には、糞尿を介しての感染をするものが数多く存在します。
またサナダムシや回虫などの寄生虫も、糞から感染することが知られています。
これらの感染拡大を防ぐための対策として、猫はトイレの跡には速やかに砂をかけて隠すようになったという説も存在します。
どの説が正しいのか、または全部正しいのかは、正確なところは猫に聞いてみないと分かりません。
しかしいずれにせよ、猫の長い進化の歴史の中で脈々と伝えられてきた「生活の知恵」的な習性なのは、間違いなさそうですね。
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さわの唯

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